フジテレビの清水検事社長は、同局の広告スポンサー離れが深刻化している現状に対し、企業の信頼回復に向けた強い意志を表明しました。3月31日の記者会見では、第三者委員会による調査結果を受け、元タレント中井正浩による女性アナウンサーへのセクハラ行為が認定されたことを報告。さらに、長年の役員である平田久氏の経営責任も問われました。

この問題を受けて、トヨタ自動車グループやリクルートなどの大手企業はCMの差し止めや差し替えを実施し、スポンサー表示が減少する現象も見られます。清水社長は、現在約7割の企業が広告出稿を保留していると説明し、「現状はあまり変わっていないのではないか」と述べました。

今後については、「広告主が判断できるよう、フジテレビの改善姿勢を見せていく」とし、改善に向けた努力を続ける意向を示しました。しかし、スポンサー企業からは慎重な姿勢が続いており、楽天グループやローソンは再開の予定がないとコメントしています。

第三者委員会の報告内容は、フジテレビの組織内におけるコンプライアンスの欠如や、人間関係における尊重の欠如を厳しく指摘するものでした。このため、今後もスポンサーが戻る可能性は低いとの見方が強まっています。

清水社長の信頼回復への意欲は見えるものの、スポンサーの視点からは企業イメージへの懸念が強く、再開は容易ではないとの声が多く聞かれます。フジテレビは、組織としての改革に向けた道のりが険しいことを改めて示しています。