ジャンボ鶴田、全日本プロレスの完全無欠のエースとして知られる彼が、かつて唯一ブチギレさせた相手とは誰だったのか。その正体を探ると、1987年の試合が浮かび上がります。この試合中、若手レスラーの中野新一が放ったミサイルキックが鶴田の顔面を直撃。鶴田は怒りを露わにし、中野に激しい反撃を加えました。この瞬間、鶴田の中に秘められた真の恐ろしさが顕在化しました。
鶴田は、1989年2月25日の全日本プロレス後楽園ホール大会で初めて観客からブーイングを受けることに。これは彼が常に省エネファイトを続けていたため、ファンの不満が噴出した結果でした。当初は全日本のヒーローであったはずの鶴田が、勝ちを重ねながらも観客の心をつかめず、逆にブーイングの対象になったのです。この状況は、ファンの期待と現実のギャップを生み出しました。
しかし、このブーイングが鶴田の覚醒のきっかけとなり、彼は再び全日本プロレスのエースとしての地位を確立しました。1989年3月には、河田年明やサムソン冬との試合で圧倒的な強さを発揮し、ファンの支持を取り戻します。特に、彼の真剣な戦いぶりは観客の心をつかみ、「ツルタコール」が自然発生するほどでした。
ジャンボ鶴田は、力強さと才能を兼ね備えたプロレスラーでありながら、時にその余裕が誤解を生んでいました。しかし、中野との試合を通じて見せた本気の闘志は、彼の伝説を築く一因となったのです。このようなドラマチックな出来事が、彼のキャリアを彩り、今なお語り継がれています。プロレス界の歴史において、ジャンボ鶴田の存在は決して忘れられることはないでしょう。