日産自動車は、独自のハイブリッドシステム「e-Power」の第3世代を発表し、新たな経営体制への移行を控えています。この技術は、日産の事業再生の重要な柱として位置づけられており、特にそのシリーズ方式の採用が他社との差別化要因となっています。日産のエンジニアは、e-Powerの開発において、同社の強みである電気自動車（EV）技術を最大限に活用することが目的だと説明しています。

e-Powerは発売以来、68カ国で累計162万台が販売され、日本市場では76%を占めています。最近では欧州やアジアでも着実に販売が伸びており、特に第3世代の最大の特徴は「5イン1」と呼ばれる電動パワートレインの小型化です。この技術により、モーター、インバーター、発電機、増速器が一体化され、前世代からさらに10%の小型化を実現しました。また、コストも30%削減に成功しています。

第2世代のe-Powerは、1.2Lから1.5LのVCターボエンジンを採用し、モデルや地域の特性に応じた設計がなされています。独自のシリーズ方式を貫きながら、EVとの技術共有で進化を続けるe-Powerは、日産の次世代戦略における中核技術として期待されています。

しかし一方で、デザインや価格設定に対する懸念も寄せられています。特に高価格帯のモデルが多い中、消費者ニーズに応じた戦略的なアプローチが求められています。日産は、ハイブリッド市場での競争力を高め、さらなる市場シェアの拡大を目指す必要があります。新たな第3世代e-Powerが、日産の復活の鍵を握ることが期待されています。