川崎市における元交際相手の異様な束縛による20歳女性遺棄事件が、近年のストーカー問題の深刻さを浮き彫りにしている。岡崎朝日さんは、昨年12月20日に行方不明となり、先週、白井秀幸容疑者の自宅から発見された。遺体はバッグに入れられ、一部が発骨化した状態であった。
警察は、岡崎さんが失踪する前の数ヶ月間にわたり、白井容疑者によるストーカー行為について9回にわたり相談を受けていたが、いずれもストーカー事件として認識されなかった。元捜査一課長は、警察の対応に対して疑問を呈し、適切な介入が行われていれば、岡崎さんの命が救われた可能性があると指摘している。
事件の経緯によれば、岡崎さんと白井容疑者は昨年4月から交際を開始し、しかし短期間で関係が悪化し、白井容疑者の執拗なストーカー行為が始まった。岡崎さんは暴力を受けた際に警察に被害届を提出するも、取り下げてしまった。これが警察の対応の遅れを生む要因となった。
事件性があるとされる状況があったにもかかわらず、警察は祖母の家の窓ガラスが割れているのを確認した際、「事件性はない」と判断した。岡崎さんの家族は、警察の対応に対して強い不満を表明しており、事件前に十分な対策が取られていれば、悲劇を防げたのではないかと訴えている。
白井容疑者は逮捕され、捜査は進行中であるが、今回の事件はストーカー被害者への警察の対応の脆弱さを改めて浮き彫りにした。専門家は、今後このような事件が繰り返されないよう、警察の体制の見直しとストーカー対策の強化を求めている。