1975年にシングル「名残行」が大ヒットし、その後も数々の名曲を世に送り出してきたシンガーソングライターのイルカさん。彼女の音楽キャリアの裏には、夫でありプロデューサーの神部和夫さんの支えがありました。しかし、神部さんは1986年にパーキンソン病を発症し、その後もイルカさんは彼を支え続けました。
イルカさんと神部さんは1972年に結婚。出会いはフォークソングクラブでの指導を通じてであり、当初は音楽の楽しさを分かち合う関係でした。神部さんはイルカさんの才能を早くから見込んでおり、彼女のソロデビューを後押ししました。しかし、イルカさんは夫と一緒に歌い続けることを望んでおり、初めてのソロデビューの際には涙を流しながら拒否したといいます。
神部さんの病気が進行する中、イルカさんは彼の介護をしながらも、自身の音楽活動を続けました。神部さんは「1曲でもいい曲を作れ」と、イルカさんに介護に専念することを許しませんでした。彼女はそれを夫の誇りとして受け止め、音楽を通じて彼の存在を感じ続けました。
残念ながら、神部さんは2007年に59歳で他界。彼の死後、イルカさんは指のしびれを感じ、検査の結果、頸椎の疾患と診断されました。医師からはギターをやめるように言われましたが、彼女はギターをスタンドに置いて演奏する方法を見出しました。イルカさんは、ファンからの温かい応援に感謝しつつ、音楽活動を続けています。
現在、イルカさんは神部さんの思いを胸に、海の向こうへと進み続けています。彼女の音楽は、亡き夫の支えがあったからこそ生まれたものであり、その思いは今も変わらずに生き続けています。