「全身全霊の演技」の主演映画はヒットしたのに…中居正広に「映像作品のオファーが来なくなった」理由

あの名作映画が放送・配信中止に

WOWOWは2月14日、公式サイトで元タレント・中居正広氏(52)が主演した’08年公開の映画『私は貝になりたい』の放送・配信を停止することを発表した。

WOWOWの公式サイトではその理由を、《「私は貝になりたい(2008)」は、当社のガイドラインなどに基づき、これまで放送・配信をしておりましたが、お客様からの様々なご意見や現在の状況などを勘案して、今後の放送・配信の中止を決定しました。急な変更となりますことを、お詫び申し上げます》と発表していた。21日の放送予定分は他の作品に差し替えるという。

「1月27日の午後4時から、フジテレビは約10時間半の〝やり直し会見〟を行いましたが、なんと、同日の午後2時半から5時まで同作品がWOWOWで放送されていたのです。そのため、ネット上では《中居も今こそ貝になりたいでしょうね》《WOWOW攻めまくってるな》などと話題になっていました。

同作品は今月2日の午前1時40分からも放送されています。地上波のようにCMスポンサーの意向を気にしなくてもいいので放送できたのですが、さすがに、有料チャンネルで視聴者からの意見を無視していては契約者数に悪影響が出るために、放送・配信の中止を決めたのでしょう」(テレビ局関係者)

中居氏は1991年にSMAPのメンバーとしてCDデビューし、本業以外にもバラエティ番組で頭角を現し始めた。俳優としては1995年に人気コミックをドラマ化した『味いちもんめ』(テレビ朝日系)で連続ドラマ初主演を務めている。

以後、ドラマは『ナニワ金融道』シリーズ(フジテレビ系、1996~”15年)、ダウンタウン・松本人志(61)とのW主演作『伝説の教師』(日本テレビ系、’00年)、『白い影』(TBS系、’01年)、『砂の器』(TBS系、’04年)、『ATARU』(TBS系、’12年)、映画『模倣犯』(’02年)などで主演を務めた。

「主演作の中でも、『私は貝に~』はドラマ『半沢直樹』シリーズ、『VIVAN』などで知られるTBSの福澤克雄氏の初監督作品。名演出家として知られる福澤氏は妥協なき役作りを求め、中居さんは10キロ減量して撮影に臨み、劇中で髪を刈って坊主頭になるなど、全身全霊をかけた演技で観客を感動させてくれました。俳優としての中居さんが大きく評価を上げた作品でした」(映画業界関係者)

しかし、その後は’13年公開の『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』、’15年のスペシャルドラマ『新ナニワ金融道』が俳優としての最後の作品となってしまった。’16年公開の『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』にも出演はしているが、「味いちもんめ」で共演した今井雅之さんが’15年に死去したことから、今井さんが脚本を手掛けた作品への友情出演という形だった。

『ATARU』の劇場版は興行収入18.5億円とまずまずのヒットだったが、その後、ドラマの続編が製作されることはなかった。そして、’16年いっぱいでSMAPが解散した後の中居氏は歌も踊りも演技もせず、司会業に専念することに。10年近くも俳優業から遠ざかることになったのには、中居氏の意向以外の要素も影響していたという。

「当時、SMAPの全権を握っていたチーフマネージャーが『ATARU』の興収に不服だったことから、TBSと揉めてしまったといわれています。そのことで他社も中居氏への新たな映像作品のオファーを様子見しているうちに結局、時が流れ引退してしまうことになってしまったようです。また、中居氏本人も、年齢を重ねて体力が衰えたこともあり、時間のかかる映像作品が徐々に面倒になったことを周囲に漏らしていたようです」(映画業界関係者)

今後、中居氏の演技を見るには、現状、一部の有料動画配信サイトに入会するかレンタル店で借りるという選択肢しかなくなってしまった。中居氏が残した数々の素晴らしい作品のファンにとっては寂しいことだろう。

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