フジ港前社長、ロケで起きた事故隠蔽に関与していた…

フジテレビの元社長、港高一氏が過去に同局のバラエティ番組で発生した事故の隠蔽に関与していたことが、ジャーナリストの中川一徳氏による内部文書の入手を通じて明らかになりました。この事故は2004年1月19日深夜に放送された「退屈貴族」と題された番組で起こり、74歳の男性が火渡りのパフォーマンス中に重度の火傷を負った事例です。

事故は2003年12月4日にロケが行われた際に発生しました。男性は灯油を巻いたダンボールの上を歩くという危険な行為に挑戦し、痛みに耐えかねて現場を離れましたが、スタッフは彼を病院に連れて行くことなく、タクシーで自宅に送り返しました。その後、男性の容態は急速に悪化し、隣人に発見され救急車で搬送される事態となりました。彼は重度の火傷による多機能不全で、2007年には死亡しています。

事故が発生したにもかかわらず、フジテレビは事故を公表せず、視聴者からの批判が寄せられるまでその存在に気づかなかったとされています。事故後、当時の制作部門の幹部たちは男性の家族に謝罪を行いましたが、この問題の根本的な解決には至りませんでした。最終的に、港氏は社内調査の結果、何の処分も受けずに出世を果たしました。

この事件は、テレビ業界における事故の隠蔽体質や管理責任の不在を浮き彫りにし、多くの視聴者からの怒りを呼び起こしています。中川氏が2012年にこの問題を報じた際、港氏は男性の家族に訪問したものの、問題の解決には繋がらなかったとされています。このケースは、ジャーナリズムの重要性と、事故に対する企業の責任を再認識させるものとなっています。

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