谷原章介、いしだあゆみさんを追悼 最後の映画作品に感服「いろんなことを考え、積み重ねなければこういうお芝居にはたどり着けない」
俳優、谷原章介(52)が18日、MCを務めるフジテレビ系「めざまし8」に出演。今月11日に甲状腺機能低下症のため76歳で亡くなった歌手で女優、いしだあゆみ(本名・石田良子)さんにまつわる思い出を語り、スタジオの出演者らとしのんだ。
いしださんの訃報は17日、所属事務所が公式サイトで発表。3月11日午前4時48分、東京都内の病院で亡くなった。
番組では冒頭からいしださんの死去について話題に。歌手や女優としての長年の出来事や数々の功績が紹介された。
横浜市出身の谷原は約30分にわたるVTRが終わったあと、「石田さんで覚えているのっていうのは、僕は本当に幼いころから『ブルー・ライト・ヨコハマ』」と語り始めた。1968年に発売され、ミリオンセラーを記録した大ヒット曲だ。
「僕、横浜育ちなもんで、あの曲が本当によくかかっていたんですよ。節目節目でいろいろな番組で回想する、こういう名曲がありました、みたいなので」。そして「この方って、歌を歌っていたんだけど、女優さんなんだなって思っていて」と、昔からいしださんに対して持っている印象について語る。
そして、ドラマや映画で活躍するいしださんの女優としての姿について、「とてもすてきなたたずまいで。お芝居自体も芯があって、冗舌ではなくて。実際話しておられるところをみると、すごく正直で直截な物言いをされて、気持ちいいしゃべり方をされる方でした。でも、もともとは役者さんじゃなくって、歌手で…」という。
谷原は、歌手としてのいしださんが、ミュージシャンの細野晴臣らによる音楽ユニット「ティン・パン・アレー」と、ニューミュージックのテイストを取り入れたアルバムを1977年に共同制作していたことにも触れ、「僕、若いころに今でいうとシティーポップみたいなものを聞くのがはやっていた時期があって。(その)アルバムとか本当にすてきで…」と、音楽面でいしださんの魅力を紹介した。
そして年を重ねていき、女優として最後に出演した2024年公開の映画「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」での姿を挙げ、「あのたたずまいは本当にすごいなあって。鉄のかたまりのようなドシッと重いものがありつつも、主演の柳葉敏郎さんにちょっかいを出して笑わせたり、子供が万引をしたらやさしく包み込んだり…。人としていろんなことを考えて考えて、積み重ねなければ、こういうお芝居にはたどり着けないんだろうな。僕からはあまりにも遠すぎて。はるか遠い道のりを感じます」と、演技の深みについて感服した。
最後の締めくくりに、谷原は「改めていしださんの残された作品、歌も映画も見直してみたいと思います。いしださん、お悔やみ申し上げます。ありがとうございました」と追悼した。